2008年3月24日月曜日

ルクセンブルグ、バーデンバーデン

本日はイースターマンデーでお休み。
土日月にかけてルクセンブルグと、ドイツの温泉地バーデンバーデンに
車で旅行してきた。

ルクセンブルグは、首都の旧市街がユネスコ世界遺産に指定されている。
古い町並みを囲うように要塞が蟻の巣のように張り巡らされており、
今もその中を歩くことができる。

要塞からは、新市街とその手前の田園風景を見渡すことができて、
これが一国の首都と思うと、とてもユニーク。



夕飯は、ミシュラン星つきデビュー。
イタリアンレストラン「Mosconi」(2つ星)。
ヨーロッパ内では、イタリア以外のイタリアン星つきはここにしかないらしい。
とにかく内装が落ち着いていて、かつおしゃれで、
その雰囲気に圧倒されながらひたすらパスタを食べた。
(本当はフルコースで頼んだつもりだったのだが、
どこかで「パスタ8種類」のコースと勘違いされており、
ひたすらパスタを食べ続けた)

味に関してとやかく言える立場ではないが、とにかく8種類も出てくると言っても
どれも個性的で、大変おいしかった。
素材もキャビアやらトリュフやら恐ろしいものがいろいろ出てきたが、
素直な感想では、グリーンアスパラを使ったものと、
トマトベースのものが一番好きだった。



昨日、今日にかけてはドイツのバーデンバーデンへ。
日本の地理教科書にまで登場するだけあって大規模な温泉地で、
地形も起伏に富んでいてどことなく熱海っぽい、と思うのは僕だけか。
昨日は、1887年創立のFriedrichsbad、今日は一番人気のCaracalla Thermeに行った。
Fried~の方は混浴デーで、老若男女素っ裸。
休憩も含めて17の部屋に分かれていて、サウナ、お湯を行ったりきたりしながら
少しずつ温まっていく。
閉店間際に入場したせいか、空いていて、ゆったり羽を伸ばせた。
タイル画がどことなく日本の銭湯っぽくて、懐かしい感じがした。



Caracalla~の方は温水プールのような感じ。
家族連れも多く、皆水着を着て露天風呂や打たせ湯などを巡っていく。
2つも回って、すっかり体の凝りがほぐれた。

と思ったが、帰りは大変な吹雪で、そこら中事故渋滞。
6時間かけてやっと戻ってきました。。
また明日から仕事です。いってきます。

復帰

気がついたら前回の投稿から2ヶ月強。
原因のほとんどは、ネットが家に通じるまで約2ヶ月かかったため。
いろいろ書きたいことはあったのだが、もう半分以上忘れてしまった。

この2ヶ月の空白の間に、「耐える」ことでベルギー生活が
ずいぶん気楽になることを学んできた。

1月中旬に新居に入り、家具もカーテンも照明も無いところからスタート。
ソファもベッドも本棚もテーブルもすべて組み立て式のものを購入し、
すべて組み立てた。
カルフールでドリルセットを購入し、自分で穴をガリガリ空け、
カーテンもなんとか取り付けた。
照明は、天井に鋼板が張ってあったため歯が立たず、
業者に頼んで半日がかりで取り付けてもらった。

水回りも大変で、まずキッチンとゲストトイレの水漏れ、
次にバスルームで水漏れ、ボイラーが異音を発し修理。
洗濯機取り付けの際も、専用のパッキンが外れていたため
ホースがうまく繋げられず、床が水浸し。
ホームセンターで当てずっぽうで買ったパッキンがうまくはまり、
なんとか解決。
最近はシャワールームの水漏れで床が水浸しになり、こちらはまだ修理中。

ネットもむかつくことが多く、そもそも業者の予約を取るのに1ヶ月。
2月中旬に来てもらったのはいいが、せっかく工事してくれたのに、
テレビもネットも通じない。
家主に問い合わせたら、工事業者のヘマで、配線自体できておらず、
尻を叩いて急遽ケーブルをつなげてもらい、
晴れてネット開通したのが2週間ちょい前。
(そこから今日まで放っておいたのは僕の怠慢だが)

というわけで、今日からまたちょこちょこベルギーその他の生活を
書いていこうと思うので、よろしくお願いします。

2008年1月7日月曜日

ソルド

ベルギーは2日から初売りのバーゲン(ソルド)で賑わっている。
5日はStockelとRoodebeek、6日はAntowerpまで足を伸ばし、
買い物、観光をしてきた。 今日は主に写真でご報告したい。


これはRoodebeekのショッピングセンターの可愛らしい床屋。
ベルギーにはここを含め、大きなショッピングセンターが
2軒のみあるらしい。


同じくRoodebeek。Cook&Bookという大変都会的な本屋兼カフェが入っている。
日本のアニメの翻訳版が大量に置いてあった。

Brusselsの夜の商店街。
人が沢山。
6日、Antwerp到着。ベルギー中央駅に比べ大変おしゃれ。


「ルーベンスの家」の前にあるカフェで小休憩。
ホットワインを頼んでみた。
柑橘、ナツメグ、シナモンの香りが絶妙に混ざり合い癖になりそう。

聖母大聖堂(後ろ)と、マクドナルド(手前)。




マルクト広場でみんなお酒を飲んでいた。
つられて僕らもシャンパンを注文。


Antwerpの発着場へ。入り口は歴史の重みを感じる造りだが、
こちらは一転モダン。


エスカレーターが速いよ冬帽子

2008年1月4日金曜日

カルネミルク

ベルギーに来てからまずいと思ったものはなかったが、1つ見つけた。

僕は牛乳が好きで、冷蔵庫の中に常にないと気が済まない。
ブラッセル到着2日目にも早速牛乳を購入。
これは、日本より若干濃いかなというくらいで、おいしく飲めた。

2回目は妻が買ってきた。僕が1回目に買おうとしたときに、これでいいのかどうか迷って、
最終的に没にしたやつだった。
そもそも、このへんで売っているミルク(に見えるもの)は、
いろいろ種類があってどれがどれだか分からない。
普通の牛乳っぽいものでも、脂肪分の%別に分かれていたり、
なんか怪しげな絵が書いてあったり。
そもそも「知らない」自分達がいけない訳ですが。

一通り妻を弁護したところで、味見。
ワインを飲み終えたグラスにぼぼっと注いだのだが、
なんだか酸っぱい臭いがする。
ワインの臭いだろうと思ってゴクっと飲んだら、やっぱり酸っぱい!
これ、もしや、腐ってる!?
と思いながらもう一度飲んでみる。
やっぱりワインの味でも牛乳の味でもない。

不安になって「ベルギー、牛乳」をキーワードにGoogleで検索したら、
同じく約2年前にベルギーで牛乳を購入した同志を発見。
この人も、ルックスは牛乳なのにやけに酸っぱいこの飲み物に仰天し
近所の知り合いに聞いたら、
こいつは牛乳ではなく「カルネミルク」という全く別の乳製品であることが発覚。
ヨーグルトを作る過程で出てくる液体なのだそうだ。


たしかに、Bルガリアヨーグルトを開けたときに
ちょろっとこぼれてくるあの液体と同じ味。
たしか注意書きに「この液体にも栄養が含まれているので、
ご一緒にお召し上がりください」なんてことが書いてあったような気がする。

にしても、牛乳を期待していた僕にとっては、ちょといただけない味。
同じ失敗をした諸先輩に一方的な親近感を抱きつつ、
何よりも、インターネットの便利さ(?)を痛感する。

初晴のほんの二分で呑まれけり

2008年1月2日水曜日

初出勤

初出勤日。外はマイナス2度。
ベルギー入りしてから比較的暖かい日が続いていたので、
なかなかこたえる寒さ。

オフィスはZaventem地区にあるので、ブラッセル中心とは違う。
IKEAを初めとして郊外型の店が並ぶ中に
いきなり大きなオフィスが現れる。

警備員の所へ行くと、僕らと同じような日本人がうじゃうじゃ受付している。
少々手こずったが、なんとかオフィスに入ることができた。

今日は正直するべき事はなく、メールを立ち上げたり
インターネットにアクセスしたりして日が暮れた。

噂で聞いていた通り、とてもインターナショナルな環境。
今日確認しただけで、フランス人、ガーナ人、トルコ人、
ロシア人、もちろんベルギー人、イギリス人、スペイン人、
ギリシャ人、チェコ人が100人前後の部署に集結している。

アメリカよりすごいんじゃないかと思ったのが、言語の使い分け。
だいたい英語でしゃべっているのだが、1対1で話すときは、
フランス語になったり、トルコ語になったり、よく分からない言語になったり。
皆自由に言葉の壁を乗り越えて(壁なんてもともとないのかも)、
休暇はどうだったの、正月はどうだったのと話をしている。
トルコ人が多いので、あまりクリスマスは話題に上らない。

「日本では元旦に神社に行って、一年の無事をお祈りするんでしょ」
と隣のNさん。「そうそう、でも日本人はクリスマスもやるんだよ」
「何かプレゼントもらったの?」「うん、シャツとマフラー」
「僕はワイフから、イギリスのチョコ教室のクーポンをもらったよ」

昼食は、日本企業だけあって、日本食もしっかり用意している。
ラーメン、うどん、エビフライセット。現地の人も並んでいる。

こういう風景が2年間、自分にとって普通の風景になるんだなと思うと、
今のうちに自分が何を感じたか書いておかないと、
あっと言う間に忘れてしまいそう。
でも今日はこのくらいで。


葱切って鋏で切って出勤す

2008年1月1日火曜日

謹賀新年


あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新しい場所での正月、はそれほど躍動的なものではなく。

大晦日の夜は、同じく研修で来ているMさん夫婦に部屋に来てもらって酒盛り。
形だけでも、と妻が年越し蕎麦を作ってくれ、大鍋に入れたままテーブルに。
各自マグカップを持って、少しずつ取りながらすすった。
だしも醤油も入って、なんとなく日本にいるような気分。

ビールとワインをやたらに飲んでとても眠くなったが、
ベルギーの年越しはどんなものかを感じたかったので、
YouTubeでアホくさい動画を見たりBBCやCNNを見ながら12時を迎えた。
どの番組もそれぞれの国の時間でHappyNewYearしているので、
「あ、順番が回ってきたね」くらいの感覚。

それでも12時ジャストはなかなかやかましかった。
近くのクラブでは大音量で踊りまくっているし、花火はバンバン上がるし、
通りでは'Bonne annee!!'と叫んでいるおっさんも。
ふーんと思いながらさっさと寝た。

時差ボケがまだ残っていて、目覚ましもかけないのに7時に起床。
窓を開けて周りを見たら、すぐ隣の個人商店は開いていた。
元旦も働いてるんだ。

朝御飯は、妻がお雑煮を作ってくれた。
貴重な餅と、母お手製の味噌と、だしとネギとマッシュルームとベーコンで、
とてもおいしいのができた。
蕎麦も餅も食べて、とりあえずベルギーでも日本人やってみました。

昼御飯は外食にしようと外出。さすがに閉まっている店が多かったが、
地元民が集まるような居酒屋はだいたい開いていて、
真昼間からおじさんやおばさんが静かにビールを飲んでいるのが見えた。
あまり普段と変わらないように見える。

たまたま見つけたハラールミートのファストフード店に日本人5人で入店。
店のお兄さんはフランス語しか分からないので、
英語と片言のフランス語でこの肉はなんだ、このパンはなんだと
聞きまくって注文した。

パンに塗るソースに色々種類があって、どれか選べというので、
僕は「サムライ(フランス語的に言えばサムハイ)」を頼んだら
お兄さんニヤっとしていた。
マヨネーズと唐辛子がベースのおいしいソースだった。
が、なんでサムライなんだろう。。

夕飯は、昼の残りのサンドイッチとミネストローネ。
明日から仕事。


東より来て西に消ゆ去年今年

2007年12月30日日曜日

市内観光

ブラッセルに到着して3日目。
明日は大晦日なので何かと不便だろうということで、買出しと観光に出た。

正月、お餅くらい食べたいねということで、
ルイーズ通り沿いにあるスーパー田川に向かった。
閉まってた、残念。
驚いたのはその外装で、スーパーのイメージからは程遠く
ボロ屋敷のテナントという感じ。
周りも取り壊した建物や人気の無いアパートばかり。

昨日、トルコ人街や黒人街を歩いて、なんだか怪しいなと思ったが、
多分、他国の人から見たら、こういう店で買い物をしている日本人の方が
余程怪しげに映るのではのではないだろうか。
きっと、「やつら、腐った豆を食うらしいぜ」とか「半生のくっさい魚買いに来てるんだぜ」
とか悪い噂をしている人がいるはず。

スーパー田川は諦めて、ブラッセルの観光大名所、グラン・プラスに向かうことにする。
トラムに乗りたいが、チケットの買い方が分からない。
とりあえず乗っちゃいましょう、と94番線に飛び乗った。
しかし、車内にはチケット販売機も無いし、誰も検札機にチケットを通していない。
まあいいやということで結局ルイーズ駅まで無賃乗車。

メトロに乗り換えたが、ここでチケットが買えた。
二人で1枚のチケットで1日乗り放題。4ユーロ。
3,6ユーロの歯ブラシに比べれば悪くない。

グラン・プラスは、決して大きくない。
しかし、緻密な彫刻が敷き詰められている建築郡に
ブラッセルの鈍い光が陰陽をつけているのをぐるっと見渡すと、
ああ、ここは特別な場所だという感覚が生まれてくる。

お腹が空いたので、ガイドブックで一押しの「Chez Leon」に行く。
ここで人気一番の、バケツ入りムール貝とフリットのセットをビールと一緒に頼む。
ムール貝は小ぶりで、セロリと一緒に蒸してある。
抜群の組合せで、山盛りだった貝もあっと言う間に空になった。
ベルギーが美食の国だというのは、本当だ。

腹ごしらえの後は、噂の小便小僧くらいはチェックしましょうということで彷徨。
辿り着くまでが面白かった。
グラン・プラスは世界遺産に指定されているような場所だが、
その周りは案外不思議な店が多い。

市庁舎と反対側の道をちょっと進んだところで、
ネクタイ屋にやけに人がたかっているのでよく見てみると、
横に商店街の入り口があり、
トルコ人ぽいおっさんたちがこぞって安っぽい皮ジャンを売っている。
面白そうなので入ってみると、店は延々と続いていて、
どこも、安価で、安っぽい革製品を並べていた。

ふーんと思いながら今度は市庁舎側の道に入ると、
急にギリシャ料理店がいっぱいあるじゃありませんか。
ほんと、市庁舎から100メートルも離れていない場所。
かなり客の入りは良く、僕らもつられて晩御飯用にギロピタを2個買った。
ギリシャでは見たことも無いようなデカさ。

そいつを今から食べようとしている訳ですが、
とにかく今日は観光日和だった。
(ちなみに小便小僧は特にメンションしていないが、
やはり世界三大がっかりに値すると思った)

自分の足で歩いてみて思うのは、
やはりガイドブックを読むだけでは、その場所を分かることは到底できないということ。
グラン・プラスという場所が、「いかにもベルギーらしい」場所と
「ベルギーらしくない」場所でごっちゃになっていて、
しかしそれら全てをもって1つの観光地になっているということを、
今日一日の体験だけでもなんとなく感じることができた。


年の瀬や両膝曲げて小便す

2007年12月29日土曜日

ブラッセル到着

12月28日夕方、ブラッセル到着。
15時頃シャルル・ド・ゴール空港に降り立ち、約3時間タクシーに揺られた。
道中はひたすら小麦畑で、高速沿いにまばらに工場がある。

宿はA-XL Flathotelで、簡素、というより質素な雰囲気。
高級商店街と言われるルイーズ通りから百メートルほど入ったところだが、
ホテルの周りは薄暗く、ちょっと治安が悪そう。

とにかく疲れていて、妻も体調が良くないので、
とりあえず夕飯と歯ブラシを買いに出た。
幸い、目の前の個人商店が開いていた。
ビールやら冷凍のピザやらを買い込んだが、
あまり買っていないつもりが3000円強払っていた。
レシートを見ると歯ブラシ1本約500円。高い。

夜はいつの間にか寝ていて、
29日、目覚めたのは朝5時。
まだ真っ暗だったが、その暗さは9時半くらいまで続いた。
昨晩は16時くらいに暗くなったことを考えると、夜の長いこと。

はるばる運んできた120キロの荷物を開き、あるべき場所に置いたら、
なんとなく2,3週間は過ごせそうな部屋になった。

食料の買い出しに行こうと出発。
旧市街への道中に見つけた下世話なスーパーでお買物。
牛乳1本300円。出前一丁1個200円。シリアル1箱500円。
やっぱり高い。

街は、犬の糞がやたらに転がっているけど、
それを除けば、おしゃれで綺麗。
子供服の店が多い、ような気がする。
ルイーズ通りは白人が多かったが、
買い物をしたスーパーの周りは、黒人が多い所、
トルコ人が多い所、と場所毎に歩いている人の顔が異なる。

ここで2年間、新しい「日常」を過ごす。


遠ければゆっくり動く冬野かな